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第3代住職 藤原友則

当寺は曾祖父 藤原浄栄が、大正13年に藤塚町に庵を創設したことにはじまります。当初は借家にご本尊を安置しただけの簡易な礼拝所だったようです。昭和20年7月4日未明の高松空襲では旧市内の大部分が焼失し、当寺も被災しました。それでも、地域の方々や多くの門信徒の熱意により、戦後間もない昭和24年に2代目本堂が落成しますと、昭和27年には「宗教法人浄正寺」の設立とともに、寺院に昇格しました。

浄栄はどんなに遠いお参り先でも自転車で移動しておりました。お酒を好み、大らかな人柄で、門信徒から親しまれていたそうです。現在、お世話になっている門信徒のほとんどが、浄栄の頃よりご縁をいただいております。浄栄のご苦労には頭が下がるばかりです。

戦後、日本は高度経済成長により、先進国の仲間入りを果たしましたが、バブル崩壊以降、日本経済は低迷し、人口も減少に転じています。所得の格差が教育の格差にもつながり、現代社会は問題が山積みであります。

寺院においても、仏事の簡素化、家の断絶、都会への転居など、影響は避けられません。墓じまい、仏壇じまいの増加とともに、今後、寺院の廃寺、合併、兼業住職の流れも加速すると考えられます。

そんな中、「お寺の存在意義は何か?」と訪ねてみますと、お寺は皆様にとっての「心のよりどころ」であるということです。殊に真宗寺院は、宗祖親鸞聖人が歩まれたお念仏の教えを共に喜ぶことにあります。どのように、時代が変わろうとも、当寺は地域の灯(ともしび)、皆様の心のよりどころであり続けたいと願っております。

仏事はご先祖様を偲ぶことを通してお念仏の声を聞かせていただき、大悲に照らし出された私の心そのままに、私自身が無碍の一道を歩むために行います。現代社会は多くの方がストレスを抱え、心を痛めておられます。とても生き辛さを感じる時代です。ご家庭の経済状況もそれぞれに違います。お寺の存在が経済的な負担になってしまっては残念なことです。無理のない範囲で構いませんので、仏事を続けていただくことが何より大切なことだと考えております。

当寺は、皆様から親しみを持っていただけるお寺づくり「まちのお寺さん」を目指しています。皆様が気軽に相談できたり、気軽にお参りを頼めたり、「このお寺があってよかった」と感じていただけるようなお寺でありたいと願っております。

今後とも浄正寺をよろしくお願い申し上げます。

浄正寺 第3代住職




藤原 友則(ふじはら とものり) 法名:釋友則(しゃく ゆうそく)
昭和55年(1980)12月6日生。
最終学歴:平成21年(2009)3月 大谷大学 大学院 文学研究科 真宗学 修士課程修了
研究テーマ:阿闍世王の救い、無根の信、唯除の文